「恋に額縁を。愛に角砂糖を」

白房が恋愛についてお話しするブログ

エンドロールのその後に

 白房です。続きです。

 

 はれて僕は、フウコさんとお付き合いを始めることになりました。生まれてはじめて出来た彼女、それはそれは大好きで仕方ありませんでした。

 

 毎日学校で顔をあわせます。帰ってからも、電話で喋ります。ラインやスカイプはおろか、携帯電話さえ無い時代。家にある家庭の電話で、毎日のようにおしゃべりしました。

 

 お互いちょっとだけオタ趣味だったので、その話がメインです。フウコさんはとあるマンガが好きで、(今で言う腐女子だったことも)そのころ知りました。お互いがお互いの内面を見詰め合うことになりました。

 

 春休みが終わり、僕らは2年生になりました。フウコさんとは違うクラスになりました。それでも学校が一緒ですから、毎日あーだこーだと話をします。そして、家に帰れば電話です。

 

 さて。そんな毎日でしたが、電話代がえらいことになると予想され、僕は家族に呼びだれました。そして怒られました。「そんなに話したければ会って話せ」ってことです。

 高校が一緒であり、また同じ市内に住むもの同士ですから、会って話すこともできるはずでした。自転車で30分も走れば会える距離です。

 が、そこには高いハードルが待っていました。フウコさんの門限です。えらく早い門限で、夜は外出ができなかったのです。会って話したいのはやまやまですが、いかんせん所詮は高校生なので、門限をぶっ飛ばすことはできませんでした。

 

 電話代と門限。この二つの高校生には高いハードル。

 

 門限はともかく、今であれば電話代はハードルになりません。ラインでもスカイプでもなんでも使えば、自由にお話しすることができます。しかし、もう一度書きますが、そんなものは僕が高校生の時には存在しません。

 白房少年は、毎日を悶々として過ごすことになります。もっと会いたい、もっと声を聞きたい。その想いを毎日募らせいきました。毎日会っているのに、それでももっともっと、だったのです。

 

 さて。そんなこんなで春が終わりを迎えます。季節は初夏。そして梅雨。

 

 ここから先は、次回に回したいと思います。

告白と言う儀式

 白房です。続きです。

 

 高校1年の終わり、その終業式。僕はフウコさんに告白することを決めていました。基本的に僕は、何か行事があると、そこに合わせて何かを行動する癖があります。アコさんの時もそうでした。

 

 さて。終業式が終わって、担任の先生の話も終わりました。クラスの中には、みんながいます。

 

 すると僕は、フウコさんの机の前に立ちました。そして言いました。

 

 「フウコさん。僕と付き合ってください」

 

 クラスのみんながいる中で、僕はフウコさんに告白することにしたのです。白房少年、ちょっとクラスの中心人物だからって、調子に乗っていたのかもしれません。

 

 「私でいいの?」

 

 「いいから告白したんだよ」

 

 「わかった。ありがとう」

 

 そして、僕とフウコさんは付き合うことになりました。クラスが異様にざわついていたのを、とてもよく覚えています。そりゃそうです。今思っても、僕の頭はどうにかしていたんじゃないかと思います。勇気があると言うか、蛮勇と言うかは分りません。

 

 高校1年の終業式。僕に生まれて初めて彼女が出来ました。僕は終生、この瞬間を覚えているんじゃないかな、と思います。幸せなその瞬間は、永遠の長さを持つのではないか、と。

 

 とまぁ、映画であればここでエンドロールなのですが、人生は映画と違ってフィルムが回り続けます。この恋は、いかなる結末をむかえたか。それは次回に回したいと思います。

夏が過ぎ、秋が過ぎ

 白房です。続きです。

 

 僕は日々、フウコさんへの想いを募らせていきました。

 夏が過ぎ、秋が過ぎ、少しずつフウコさんと喋ることが多くなっていきました。

 将来の夢なんかも、このときに聞きました。フウコさんは、学校の先生になりたかったようです。実家はお店をやっていましたが、そこを継ぐ気は無い、ともその時知りました。

 このとき僕は、自分が小説家になると何故か思い込んでいて、そのことをからかわれたこともあります。

 

 クラスの中心人物であった僕には、もちろんフウコさん以外の女子友達もいました。可愛い子、頭のいい子、リーダーに相応しい子、などなど多様な女子友達がそこにはいました。しかし、何故かそういう子には惹かれず、フウコさんを好きになっていきました。明らかにそことは線のある女子、に対してです。

 中学時代好きだった人、アコさんともまったく違うタイプの子です。恋をするってそういう側面があるように思います。「タイプはタイプとして存在する。でも、好きな人は好きな人としても存在する。必ずしも、それは一致しない。」そんなことです。

 

 季節は瞬く間に過ぎ、冬になりました。ここで少し、事件が起こります。

 

 音楽の授業で、合奏をやることになりました。そこで行われたのが、いわゆる「はーい。好きな子達で5人6人のグループ作ってー」ってやつです。僕は早々に男子の中心でかたまり、グループを作りました。まぁ、周りから見ても順当な結果です。

 

 しかしそこでフウコさんと、その仲のいいもう一人の女子が、あぶれてしまったわけです。なぶん普段から、そういうグループとは違った所にいる二人ですから。僕はフウコさんに相談を受けます。

 

 「グループに入れてくれないかな」

 

 とは言うものの、僕も既にグループを作ってしまった手前、それを反故にするわけにもいきません。少し考えた後、僕はフウコさんを、別の男子グループの中に入れることにしました。接点の無い女子とのグループ分けに、男子たちは面食らっていましたが、そこはすでに持ち合わせていた僕の強引さで、全員を納得させることに成功しました。

 

 「ありがとう。本当にありがとう」

 

 フウコさんは、僕に感謝の言葉を伝えました。笑顔だったことだけ覚えています。

 珍しいフウコさんの笑顔は、さすがに25年くらいたった今では覚えていません。

 

 以下次回とします。

新たな恋の予感

 白房です。次は、高校1年の時のお話です。

 

 中学の卒業式でアコさんに告白し、玉砕して少しだけ時間がたちます。

 僕は地元の高校に入学しました。普通レベルの普通課高校。その特進クラスに入りました。

 中学からの友達もいて、新しい友達もでき、順風な高校生活の始まりになりました。一応の特進クラスなので、クラスにはいわゆる不良もいませんでした。友達が多く出来たのも、これが大きな要因だったと思います。

 

 これは中学高校でよくあることですが、男子も女子も大雑把にグループ分けがなされます。僕の入っているグループは、男子の中心的な役割を担いました。女子グループとも交流し、毎日を楽しく過ごすことになりました。

 

 さて。(仮の名前として)フウコさんという女子がいました。そういうグループとは、まったく違うところに存在していました。

 

 とある女子生徒と以外、喋っているところを見たことがありません。笑顔もほぼ見たことがありません。休み時間になると、何やらノートに書き物をしているような人でした。それが彼女が望んでそうしているのか、そうしていないのかは分りません。

 

 梅雨を越えたあたりから、僕はそんな一風変わった女子のことが、少しだけ気になり始めました。

 そして、男子の中心的なグループにいる、という意味を生かして、積極的に話しかけることにしたのです。

 

 他の男子から、「何であいつに話しかけるの?」と言われたこともあります。そんな僕の行動が、奇妙に思われたのでしょう。

 

 僕は「ほら。俺って人気者じゃん。誰とでも仲良くしないと」と答えていました。ちょっとだけ持っていた恋心は、隠したまま、です。

 

 以下次回とします。

告白の結果はいかに

 白房です。続きです。

 

 アコさんに僕は、告白をしました。その結果は。

 

 「ごめんなさい」

 

 少年から青年になった白房は、ここでもまたアコさんに振られることになりました。

 

 その後のことは、いまいち覚えていません。気まずくなって、唇をかみながら、最寄り駅で降りなかったことだけは覚えています。今まで毎日一緒に帰っていたのが、ウソのような感覚でした。

 

 そして少し月日は流れ、僕は第一志望に合格し、春から大学生に。アコさんはどうなったかは分りません。元々頭のいい人でしたから、流石に二浪ってことはないでしょう。どこかの大学に入ったと、勝手に思っています。

 

 僕はこの時を、今でも結構思い出します。そして、「ネットや携帯電話があったら、告白を急ぐこともなかったんじゃないか」と思います。もっと時間をかけて、もっと距離を縮めることもできたんじゃないか。

 

 もちろんネットや携帯電話があろうと無かろうと、結果は変わらないかもしれません。言い訳にしているだとも思います。それでも、それを言い訳にしたいくらいには、今でも重たい思い出なのです。なにせ「運命の再会だ」と、決め付けていたのですから。

 

 それ以降、アコさんとは会っていません。玉砕後、少ししてから普及した携帯電話の番号も知りません。クラス会にも何回か行きましたが、僕が参加するときは、アコさんが不参加でした。タイミングが合いませんでした。

 

 今もし会えたら、僕は何を伝えるのでしょうか。二度も告白をしたアコさんに、何を伝えるべきか。40才になろうという、いいおじさんは何を。

 多分はにかみ浮かべながら、「相変わらず綺麗ですね」とか言いそうな気がします。なにせ、今の僕はそんなキャラですので。ちゃらいおじさんなんです。

 

 さて。実はこの話には、もう一つだけ語りたいことがあります。皆さん、「羊のうた」と言うマンガはご存知でしょうか。それにまつわるお話です。

 ですが、それはまたの機会にまわして、次回より別の恋の話に進んで行きます。

 

 次回は、高校時代のお話です。ちょうどアコさんと中学の卒業式で離れて、予備校で再会するまでの、間のお話です。以下次回。

幸せな日々と、その終わり

 白房です。続きです。

 

 アコさんと再会し、僕らは毎日一緒に帰ることになりました。同じ中学の出身ですから、それはある程度自然な流れでした。

 

 さて、携帯電話やメールの無い時代、一緒に帰るってのはなかなかにハードルがあります。

 そもそも中学高校と違い、予備校は授業が終わる時間が人によって違います。僕が三限までで、アコさんが四限まで、なんてこともあります。「時間と場所を確定し、その時間とその場所に必ず居ること」が、待ち合わせに必要だったのです。

 

 今なら多少の遅刻は、ラインで「ちょっと遅れるね」とメッセージを送ればいい話です。しかし、そんな便利なものはありません。ともかく何を置いてでも、待ち合わせに間に合わせる必要がありました。時間に遅れれば申し訳ないですし、最悪、相手が先に帰ってしまうことも考えられます。

 

 僕はなんとしてでも、待ち合わせ時間と場所に間に合わせていました。それもそうです。あのアコさんと一緒に帰れるんです。必死にもなります。

 

 時に本屋に行き、時にごはんを食べたりして、アコさんと逢瀬を重ねました。毎日が幸せに包まれていました。ゲーセン通いは終わり、アコさんにいいところを見せようと、勉強もはかどりました。

 

 色々な話をして、将来の夢なんかも知りました。アコさんは医療系を目指している、理系女子。将来なりたい職業もあり、人生設計もしっかりしていました。「経済系に入って、なんとなく大学四年間を過ごそう」なんて考えていた僕とはまるで違っており、自分を恥じたのもこの頃です。

 

 そんな幸せな毎日が、少しずつ終わりに向かいます。季節は冬。入試が近づいてきたのです。文系男子と理系女子。どう考えても志望校は違い、浪人が終われば、また会えない日に向かいます。

 

 入試三日前。最寄り駅まであと少しと迫った電車の中。

 その日も僕は、アコさんと一緒に帰っていました。

 アコさんは言いました。

 

 「もう受験だね。大学に入ったら、会えなくなりそうだね」

 

 僕は、その言葉でもう一度、告白することを決めました。

 

 「アコさん。僕と付き合ってくれませんか。大学に入ってからも、こうやって会いたい」

 

 結果。それは次回までのお楽しみ。以下次回。

再会は突然に。

 白房です。続きです。

 

 19才の夏。僕は受験に失敗して、浪人をしていました。とは言え、まじめな浪人生ではありませんでした。予備校には行っていましたが、それより本屋に寄り、ゲーセンに通う、ろくでもない生徒でした。家ではほぼ勉強をせず、結構ブラブラしていました。

 

 ブラブラしていた一番の理由は、名古屋までの定期が手に入ったことです。

 名古屋の予備校に通っていた僕は、それまで名古屋へ、街へ繰り出すことがあまりありませんでした。

 

 オタクの僕にとって、名古屋は刺激的な街でした。

 

 格闘ゲームにハマっていた僕は、自分より強い人と対戦することが楽しみで、そして名古屋には、たくさん強い人がいました。

 本屋も刺激的でした。地元の小さな本屋には無い、様々な種類の本が山のように積まれていました。

 それはそれは刺激的な毎日だったと記憶しています。

 

 もちろん現実は甘くなく、偏差値はさして上がらないまま、秋を迎えました。

 

 僕は予備校に向かうためJR名古屋駅を歩いていました。すると、向かい側からアコさんによく似た人が歩いてきます。

 僕は傍と立ち止まります。「似すぎだろ」と。そして、その人と目が合いました。

 

 どっからどう見てもアコさんで、やっぱりアコさんでした。

 

 「久しぶり!」と声を掛け合い、立ち話をする僕とアコさん。それは3年ぶりの再会でした。

 話を聞くと、アコさんも浪人をしていて、しかも同じ予備校に通っていました。半年ほど、すれ違いをしていたようです。

 

 僕は予備校に行く道。アコさんは予備校から帰る道。しかしそんなことは言っていられません。その日は予備校をサボり、アコさんと帰ることにしました。

 

 「これは運命の再会だ。」

 

 そう思うくらい、僕はその頃若かったのです。

 

 今日はこれまでにしたいと思います。続きは次回。