「恋に額縁を。愛に角砂糖を」

白房が恋愛についてお話しするブログ

夏が過ぎ、秋が過ぎ

 白房です。続きです。

 

 僕は日々、フウコさんへの想いを募らせていきました。

 夏が過ぎ、秋が過ぎ、少しずつフウコさんと喋ることが多くなっていきました。

 将来の夢なんかも、このときに聞きました。フウコさんは、学校の先生になりたかったようです。実家はお店をやっていましたが、そこを継ぐ気は無い、ともその時知りました。

 このとき僕は、自分が小説家になると何故か思い込んでいて、そのことをからかわれたこともあります。

 

 クラスの中心人物であった僕には、もちろんフウコさん以外の女子友達もいました。可愛い子、頭のいい子、リーダーに相応しい子、などなど多様な女子友達がそこにはいました。しかし、何故かそういう子には惹かれず、フウコさんを好きになっていきました。明らかにそことは線のある女子、に対してです。

 中学時代好きだった人、アコさんともまったく違うタイプの子です。恋をするってそういう側面があるように思います。「タイプはタイプとして存在する。でも、好きな人は好きな人としても存在する。必ずしも、それは一致しない。」そんなことです。

 

 季節は瞬く間に過ぎ、冬になりました。ここで少し、事件が起こります。

 

 音楽の授業で、合奏をやることになりました。そこで行われたのが、いわゆる「はーい。好きな子達で5人6人のグループ作ってー」ってやつです。僕は早々に男子の中心でかたまり、グループを作りました。まぁ、周りから見ても順当な結果です。

 

 しかしそこでフウコさんと、その仲のいいもう一人の女子が、あぶれてしまったわけです。なぶん普段から、そういうグループとは違った所にいる二人ですから。僕はフウコさんに相談を受けます。

 

 「グループに入れてくれないかな」

 

 とは言うものの、僕も既にグループを作ってしまった手前、それを反故にするわけにもいきません。少し考えた後、僕はフウコさんを、別の男子グループの中に入れることにしました。接点の無い女子とのグループ分けに、男子たちは面食らっていましたが、そこはすでに持ち合わせていた僕の強引さで、全員を納得させることに成功しました。

 

 「ありがとう。本当にありがとう」

 

 フウコさんは、僕に感謝の言葉を伝えました。笑顔だったことだけ覚えています。

 珍しいフウコさんの笑顔は、さすがに25年くらいたった今では覚えていません。

 

 以下次回とします。